No.030 ともあれ、有権者は「変化」を選んだ!

長い、ながい、ナガ〜い2009総選挙がやっと終わった。ご承知のように結果は民主圧勝、自公惨敗ということになった。そのいきさつや悲喜こもごもについては、TVや新聞、雑誌がさんざんやっているから、いちいち述べることもあるまい。
民主党マニフェストで掲げている課題の一つである「高速道路無料化」に関して、私は以前からこのコラムでその重要性と旧来の矛盾について述べており、そのことについては近いうちに、政権のロードマップ、反対意見なども含めてじっくりと検証するつもりだ。
今は何はともあれ、高速道路無料化への第一歩が政権交代によって踏み出せることを素直に喜びたいことと、世界一保守的だと思っていた日本の有権者が、意外にも劇的な変化を選択した勇気を讃えたい。そして、現在が変化をせざるを得ない状況にあることをほとんどの国民が痛感したものとも信じたい。

今回は、選挙に関することでちょっと面白い数字を発見したのでお見せしたい。
8月30日の投票日当日、TV各局は投票締め切り時間の20時の数分前から「選挙特番」なりを延々と始めることになる。なんと言っても番組冒頭の大本命は、20時ジャストに発表される「各党の獲得議席予想」だ。どなたでもご覧になったはずだと思うが、さすがに全局の予想を一気に確認することは不可能だったはず。
ここでその数字を羅列してみよう。

各局の予想獲得議席

政党名
放送局名

自民党

公明党

民主党

共産党

社民党

国民新党

NHK

131〜84

36〜12

329〜298

18〜7

15〜4

6〜3

日テレ

96

23

324

10

8

4

TBS

97

20

321

12

11

3

フジ

97

22

321

12

10

4

テレ朝

106

23

315

12

7

3

テレ東京

98

21

326

10

9

3

最終結果
119
21
308
9
7
3

ご承知のように、各局は総力をあげて出口調査やサンプリング調査で得たデータを元に、至上命令で投票締め切り時間の直後に「予想」発表するわけだから、実態は18時くらいまでの調査に基づいたことは明白で、視聴者の誰もがある程度の誤差は許容している。
しかし、幅を持たせて予想したNHKの優等生ぶりは例外としても、各局に共通していたのは、実際の結果より民主党が大幅に上回っていたことと、逆に自民党は下回っていたことへの衝撃だった。
事前の世論調査などで、ある程度の予測はしていたものとはいえ、ここまで、と驚いた視聴者は少なくなかったはず。特に自民党側の支持者の落胆ぶりは凄まじかったものと推測できる。開票以後、沈痛な面持ちの落選者の映像がこれでもかというぐらい残酷なまでに映し出されたことはご覧になったとおりだ。

 

開票直後、まだ当選バラも少ない時点での民主党執行部の面々。バラは少ないが予測調査で圧勝が決定的になり、各人の表情はつとめて明るいはずが、意外にも政権獲得への緊張感か笑いはなかった。

     
  そして隙間のない当選バラに囲まれた鳩山民主党党首。やはり緊張感を持った面持ちで記者会見に臨む。16日の特別国会首班指名で第93代内閣総理大臣に就任する。初代の伊藤博文以来、60人目の総理となる。

2009年夏に、自民党支配の‘55年体制が一度崩れたことは厳然とした事実。これからの民主党はクレームする側から、クレームされる側にチェンジしたことになる。次期与党当選者の皆さんは今後大いに緊張感をもって諸課題と取り組んでもらいたい。それが仕事なのだから。
そして選んだ国民も、じっくりと動向を見て自分も含めた「変化」への覚悟を決めてもらいたい。それも選ぶ側である主権者の責任というものではないか。
2009.09.02 記


人気ブログランキングへ ブログランキング
こちらもどうぞ!
No.7 権力の品格 Chapter1
No.007 権力の品格 Chapter1
外観は、品格というか荘厳さが漂う国会議事堂。重要なことは、この中で行われていることが、建物意匠の品格と一致することなのではないでしょうか。 権力
090622_t
No.021 視点が変われば・・・・・
6月18日から定期観光バスになったスカイバス東京 http://wwwkybus.jp/home/index.htm lは、2階部分がオープンエアのバス。約50分間で皇居(内堀通り)や銀座を巡り、文字通りのパノラマ観光を楽しめる注目のバスだ。
090601_t
No.018 権力の品格Chapter6「現実」−「愛」=「削除」
5月27日、久々に国会で党首討論が行われた。政権党の麻生首相は前回と同じだが、民主党側は代表になったばかりの鳩山由紀夫氏。 小沢前代表の辞任騒ぎの後ということもあり、メディアから一定以上の注目を浴びたことは間違いない。さらに間違いのないことは、自民、民主以外の党首には申し訳ないが、この二党党首のうちのいずれかが総選挙後の政権を担うことになる。 その意味では両者とも必死のアピール合戦になることは仕方のないことだ。しかしである。 党首討論は、格別に討論テーマが決められているわけではないようなので仕方ないが、以下のテーマで論争が繰り広げられた。それもたった45分(実際は47分)だ。 ●