No.002 エコカー普及に異論はないけれど・・・・


長時間にわたり電力会社と提携して実走試験を繰り返してきた「三菱アイミーブ」。この夏、ついにデビューを果たす。充電設備インフラなど周辺環境の普及にも期待がかかる。

今年4月から施行されたエコカー減税など、エコカーの普及を施策として減税措置にまで踏み切った政府の対応は、大方の国民から好意的な目で見られている。ご存じのように、そのクルマの「エコ度」によって、100%、75%、50%といった具合に取得税と重量税を減免するという景気刺激策というか、買い替え促進策だ。
100%減免車は、トヨタ、ホンダのハイブリッド車、日産エクストレイルのクリーンディーゼル車、7月にデビュー予定の三菱アイミーブEV車が対象になる。
やはり人の情というものは、10数万円から、高額車両になれば20数万円の減税恩恵は魅力的には違いなく、間違いなく普及(購入)のけん引になることでしょう。そこはいい。
ただしだ。この法律はいわゆる時限立法で、有効期限は3年間(平成24年4月30日まで)という期限付きであるところがミソなのだ。
言い換えれば、「この3年間のうちに新車に買い替えないと損でっせー!」という風に見えなくもない。なんか1000円で高速道路乗り放題(近々に報告します)とそっくりの構図に思えませんか?

誤解されては困るが、エコカー普及のために何か施策を行うこと自体に異論はない。地デジ同様、刺激策というかインセンティブを付加させることが普及の常道であることは間違いないからだ。
しかし、どうも気になるのが、この施策が現状の税制(仕組み)の中で行われる「その場しのぎ」の感が否めない点なのだ。
時の内閣が、良かれと思うならば、アメリカのグリーン・ニューディール政策やドイツの買い替え補助策(スクラップ・インセンティブと呼ぶ)などをパクることはやぶさかではない。


EV普及に最も積極的な神奈川県の松沢成文知事。写真は2008年に行われた横浜EVフェアでのスナップ。神奈川県では今回の国主導の施策以前から、EVに特典を与えてきた。

抜本改革を図る百年に一度のチャンスなのに!

でもですね、冷静に考えてみましょうよ。複雑きわまりない既存の自動車関連税制自体が「賞味期限切れ」、「耐用年数切れ」なんじゃないかと・・・・・。
例えばEVの場合、基本的にガソリンを使用しないから、あの道路特定財源の本丸といえるガソリン税をEV利用者は負担しないことになる。でも道路は使うから、なんか不公平な雰囲気になって、いずれ必ず物議を醸しだすことになるのは必定でしょ? 今はEVが超少数派だから目立たないけど、二桁の普及が実現したら、およよ・・・になることは自明なのであります。

本気でエコカーを普及させる気持ちがあるならば、そういうことを見越して、税制を抜本的に見直すから意味があるのです。その場しのぎで、「今は緊急事態だから年貢をオマケしてあげる。有難く思え!」という魂胆がみえみえってのは、どう見ても上から目線で気に入らない。そしておそらく、そのツケとして(多分、消費税)近い将来国民にはね返ってくるのでしょう。なんというアメとムチ! なんという単純な不条理!

もとより自動車ユーザーがこれまで多大な負担をしてきたがゆえに、あまり重要でない高規格道路も含めて、その建設などに「受益者負担」という名のもとで貢献してきた。自動車の普及が、日本の土台を築いてきたことは言うまでもない。
でも時代は変わった。お得意様(重要税源)の構図は変わった(と、見るべき)。百年に一度の重大事なときぐらい、国は明確な道筋を示しましょうよ。ただし、国民だけの痛みで終わるような改革だけは二度とゴメンでっせ!
【21年度 税制改正特例措置へのリンク】
2009.04.10記


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